チェンバロ 3 

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17世紀、18世紀には、宮廷やサロンのコンサートでは、グランド型のチェンバロが使われましたが、上流階級の間では、家庭音楽が盛んで、ヴァージナル、スピネットなどと呼ばれる小型のチェンバロが愛好されました。これらの小型の楽器は、モーツァルトの時代になっても、クラヴィコードとともに、なお使われていました。
17世紀にリュッカース兄弟を輩出したフランドルでは、ヤン・フェルメールなどによって、家庭の中の音楽の様子が克明に描かれました。下の絵は、有名なフェルメールの「音楽のレッスン」です。



ヤン・フェルメール(Johannes Vermeer 1632 - 75)は、オランダ南部の小さな町デルフトで一生を過ごした画家ですが、デルフトはアントワープに近く、町の中にはこうしてヴァージナルを弾き、音楽教師からレッスンを受ける子女が多かったのでしょう。ヴァージナルを弾いて楽しむということが、いわば日常の風景であったことが窺えます。
フェルメールはごく狭い場所で生きた芸術家ですが、アントワープのリュッカース兄弟のもとにはヨーロッパ中から楽器の注文が殺到し、その名声は轟いていました。チ

ヴァージナル


小型のチェンバロの多くのものは、ヴァージナルと呼ばれます。
ヴァージナル(Virginal)はもともと英語で、17世紀前半のイギリスで使われた小型のチェンバロを指していましたが、今日では、イギリス以外の地域でつくられた小型のチェンバロを広く指す言葉として使われています。
形の上では、多角形のものと箱形のものとに分けられます。
16世紀のイタリアでは、グランド型のチェンバロのほか、たくさんのヴァージナルがつくられ、ヨーロッパ各地に輸出されました。

Italian Virginal
イタリアでつくられたヴァージナルは、多角形をしたものが多く、上の写真は、16世紀のイタリアンチェンバロをもとにして、鍵盤楽器制作家の山野辺暁彦さんが制作された楽器です。

Flemish Virginal

17世紀になると、フランドルのアントワープがイタリアの有力な競争相手として登場し、やがて凌駕していくのですが、リュッカース兄弟などによってつくられたヴァージナルは、箱形をしたものが多いようです。
上右の写真は、やはり山野辺暁彦さんが制作されたこのタイプの楽器です。

上のフェルメールの絵に描かれた楽器とタイプが似ていることがわかります。

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