チェンバロ 1 

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チェンバロについて

モーツァルトが物心ついた頃、モーツァルト家で鳴っていた鍵盤楽器はチェンバロ(cembalo)でした。モーツァルト家にあったチェンバロは、ゲーラのクラヴィーア制作者、フリーデリーツィの楽器でした。
モーツァルトは、物心つくと、このチェンバロをつまびき、父レオポルトを驚かせる才能を示していきます。レオポルトは、《ナンネルの楽譜帳》などの練習曲集を編み、息子にレッスンを施していきました。
モーツァルトは神童時代に、ヨーロッパの各都市でクラヴィーアを弾き、喝采を浴びますが、弾いた楽器はそのほとんどがチェンバロでした。
チェンバロの歴史は古く、14世紀にまで遡ると考えられています。長い間にわたってヨーロッパの人々によって弾かれ、愛され続けてきた楽器でした。
チェンバロはイタリア語ですがが、イタリアではクラヴィチェンバロ(clavicembalo)とも呼ばれました。ドイツではイタリア語であるチェンバロが使われましたが、グランド型のものはフリューゲル(Flugel)と呼ばれました。英語ではハープシコード(harpsichord)、フランス語ではクラヴサン(clavecin)と呼ばれました。

撥弦鍵盤楽器

チェンバロは、現代のピアノ、その前身のピアノフォルテ、別のタイプの楽器であるクラヴィコードが弦を打って音を出すのとは異なり、弦をはじいて音を出す鍵盤楽器で、撥弦楽器とも呼ばれます。鍵盤上でひとつひとつの鍵を押すと、梃子の原理で、鍵とひとつづきになった木片の先に取り付けられたジャックと呼ばれる部分が上がり、弦に触れていたダンパーも弦から離れます。
そうすると、プレクトラムと呼ばれる爪が弦をはじいて音を出します。
.鍵を離すと、ジャックは自重で落ち、特殊な仕掛けによってプレクトラムは弦をよけるようにして落ち、弦をはじかないで元の位置へもどります。
プレクトラムは、当時は鳥の羽の軸や皮でつくられていましたが、現代では、プラスチックでつくられることが多いようです。
このように、爪が1本の弦をはじいて音を出す方法では、音に強弱をつけたり、音色に変化をつけることは、まったく不可能ではありませんが、かなり困難です。音の強弱、音色の変化は、指のタッチではなく、ストップと呼ばれる装置を操作することによって行われました。

チェンバロ 2