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《作曲者別演奏法‐シューベルト、メンデルスゾーン、シューマン、ショパン‐》 ショパン
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はじめに
第1章 シューベルト
第2章 メンデルスゾーン
第3章 シューマン
第4章 ショパン
結びにかえて
‐多様化する鍵盤楽器とピアノ演奏
(株)ショパン
定価 1300円(本体) |
- コラム
- 「シューベルトの手紙」 「クッペルヴィーザー・ワルツ」
- 「シューベルトのピアノ・ソナタ」 「ヴィルヘルム・ケンプのこと」「個性は肉体だ」
- 「『音楽の座右銘』」 「ドイツ人と森 」
- 「ウラジミール・パハマンのこと」 「ショパンとジョルジュ・サンド」
(2005年6月刊行)
クラシックのピアノ作品を弾くにあたっては、それぞれの作品の性格や特徴をきちんと捉えているとが重要です。「モーツァルトはモーツァルトらしく」、「ベートーヴェンはベートーヴェンらしくらしく弾きたいものです。
スコアの解釈には無限の可能性があり、どのような演奏が作品の美しさや理想のイメージを表現しているのかについての固定観念は禁物だと思いますが、スコアを広げ、ただ音を間違えずに弾いていくだけというアプローチでは、それぞれの作品に込められた作曲者の意図を実現することはできないでしょう。作曲家の美学や発想法、作品が書かれた当時の演奏慣行や楽器、またそれぞれの作品を弾いてきた先人の思索にも依拠しながら、自分なりの作品イメージを形づくっていくことが求められると思います。
本書は、そのような作品像への問いかけに関する私なりの試みを、リサイタルなどでよく弾かれるロマン派の4人の大作曲家 ― シューベルト、メンデルスゾーン、シューマン、リストの作品を取り上げて記したものです。それぞれの作曲家の代表的な作品を取り上げ、それぞれの作曲家の作風にふさわしい演奏とは何かについて考えてみることにしました。
つまり作曲家の個性をどう実際の演奏に生かして表現していくのかに関する試みです。「○○らしい演奏」は、それぞれの音楽家に対する愛情抜きには生まれませんが、だからといって大作曲家の伝記ばかりよんでいても到達できるものではありません。個性と作風のイメージ化とそのイメージを演奏として具現化するアプローチについて、考えてみることにしました。
これまでピアノを弾き、またさまざまな世代の方にレッスンを行ってきた経験の中から、私なりに大切だと思うことを記してみました。単なる指の練習に飽き足らない学習者の方、生徒さんに音楽をすることの喜びを伝えたいと模索しておられるレスナーの方にお読みいただければ光栄です。
本書は、(社)全日本ピアノ指導者協会機関誌『Our Music』の1999年10月から2004年4月号までに連載された「作曲家研究」がベースになっていますが、今回全面的に書き改めることにしました。
(本書は、 までご連絡いただければお送りさせていただきます。送料は200円です。)
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