久元 祐子 「味」 探訪

四谷・荒木町・市ヶ谷

  
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名産品

 有薫亭(九州料理)

四谷3丁目の風月堂のビルの角を東方向に入っていった路地にあります。
以前は、荒木町の車力門通りからさらに入った路地裏にありましたが、こちらに移転となりました。
九州料理を中心とした、郷土料理のお店です。
テーブル席が仕切られ、落ち着いた中にも華やかな雰囲気。
きょうは、筑後川で今の季節しか獲れないエツという魚をいただきました。
左下写真にあるような、細長い魚体です。これを右下のように、タタキにしていただきます。生まれて初めてのエツでしたが、
鰺のタタキよりも繊細で、ハモに近い食感と淡泊な味わいでした。

また、ウチワ海老の塩ゆで、アゲマキの焼き物もいただきました。
とても大きなウチワエビです。
アゲマキは、夏の味覚。プリプリ感が抜群です。

奥の大将自らが選ぶ魚をその日おすすめのお料理でいただきます。女将さんは、親切でとても上品な方です。最近、お嬢さんも店に出られるようになりました。
このほか、五島烏賊、鰯、太刀魚、鮃、鯖などの刺身類が豊富にあり、好きな種類を盛り合わせにしていただくのも楽しいです。
馬刺しは、レバー、たてがみが入った盛り合わせで、絶品!
また、季節にもよりますが、宮崎特産のアサヒガニもときどき入ります。(2010.7.2 記)
有薫亭   
東京都新宿区左門町1-13
03−3356−3351

福 よ し(もつ焼き)


荒木町から外苑東通りに出てきて、昔、「つたや」があった三叉路を、靖国通りの方に降りる坂道の途中にあります。
いつ行っても満員のもつ焼き店です。
赤いネオンサインが目印。
L字型のカウンターとテーブル席。
店内は、笑い声、しゃべり声、グラスのふれあう音などでいつも賑やかです。
メニューは、もつ焼きが中心で、ほかに、刺身、焼き魚、冷や奴、塩辛などの肴が豊富です。
ものすごい珍味があるわけではありませんが、どれもあきのこない味わい。


もつ焼きはいずれも1串100円です。
大将の手際の良さには脱帽。ひとりで厨房を切り盛りし、もつ焼きなどの焼きものから、お酒の注文、刺身の盛りつけまですべて采配をふるい、手際良くお客さんの目の前に出していきます。
どちらかと言えば無口なのに、温かくて丁寧にお客さんに接してくださり、おなじみさんたちの憩いの場所になっている様子。
カシラはちょっと脂っこくてパスだったのですが、センマイ刺しは、ごま油と刻みネギとの相性も良く、あっさりとして臭みもありません。

もつの煮込み「豆腐入り」は、味のしみこんだ豆腐と一緒に、フーフー言いながら、熱燗と一緒にいただきます。。
おかみさんは、明るく親切でおちゃめ。
雰囲気を盛り上げ、ムードメーカーとしても才能を発揮しています。
お値段もリーズナブル。
懐にも優しいみんなの「福よし」です。







(2009.12.7 記)
福 よ し   
東京都新宿区舟町15
03−3359−7792


アンシャンテ(レストラン)


荒木町の路地裏にひっそりと佇む、隠れ家的なレストランです。
アンシャンテは、「嬉しい」「満足した」という意味のフランス語。
でも気取った感じはなくってフランスの家庭料理をあたたかい雰囲気で出してくださいます。
荒木町に入る目印、外苑東通りエリマキラーメン角の少し先を右に折れ、坂道を下ると、目印の看板が見えてきますので、さらに坂を下りたところです。

厨房がよく見えるカウンターと、テーブルのあるコーナーが分かれたつくりになっています。
カウンター奧の窓からは、緑に覆われた窪地が眼下に広がり、都心とは思えない静かな雰囲気。

「アンシャンテわがままコース」と名づけられたコースは、オードブルバリエ、ピッツァボール、魚か肉料理、パスタ、デザート、コーヒーがひとおり出てきて、3600円とリーズナブル。
この日は、アラカルトにすることにし、黒板に書かれていたヤリ烏賊のフリット、タコや生ハム、チーズなども豪勢に盛り込まれたアンシャンテ・サラダ、それに、名物料理のムール貝ポットSを注文します。
ムール貝ポットは、プレーン、トマト、クリーム味の3種類から選ぶことができ、塩味のプレーンにしましたが、ぷりぷりムール貝は、白ワインのとても合いました。
(下の写真は、お店のホームページからお借りしています。)
ムール貝というとスペイン料理のパエリアなどでおなじみの貝ですが、オーブンで焼かれるとパサパサになっていて、つい「馬鹿貝」と呼ばれていたことを思い出してしまう貝でした。
このお店に入って、すっかりムール貝のイメージが変わりました。
しっかりとした歯ごたえと旨みがオリーブオイルとガーリックの薫りの中でギュッと詰まっていて食べ応えありのご馳走です。

最後に、悪魔風と名づけられた鳥料理。
ピリっとした辛みからきた名前かもしれませんが、トマト風味のソースとスパイスが刺激的な一品です。
どのお料理もボリュームたっぷり!でリーゾナブル。
すっかり満足して、雨の荒木町をあとにしました。
ダイエットはまたまたおあずけになってしまいました。
アンシャンテ!
(2009.5.7 記)
アンシャンテ   
東京都新宿区荒木町11−8
03−3351−7760

 沢(割烹)


外苑東通から1本入った路地裏にあります。情緒溢れる荒木町の雰囲気が溢れています。
「沢」は、6,7人が座れるL字形のカウンターと、テーブルがふたつ置かれたこあがりのある、こぢんまりしたお店です。
荒木町の青年会のメンバーでいらっしゃるマスターがひとりで切り盛りされています。
手作りの餃子、日によっては焼売を肴にして、まずはビールで乾杯。
ほかに、おでん、日によって種類の異なる刺身のほか、小さなピアッツァなど、おつまみも豊富です。日本酒は、白鷹など2種類。
常連さんが多いようですが、初めてのお客さんでも、マスターが穏やかな笑顔で迎えてくださいます。
マスターは、荒木町で生まれ育ったそうで、お祭りのときは、御輿も担がれるそうです。
花柳界も賑やかだった、当時のポスターなども目に付きました。
とてもほのぼのとした気持ちにさせていただくひとときです。(2008.2.11 記)
   
東京都新宿区荒木町8
03-3357-8975
日曜・祝日休 

 中むら(割烹)


住宅街の中にある一軒家の隠れ家的なお店です。
外苑東通りを四谷3丁目方面から北上し、靖国通りを越えると、車線が減って道が狭くなります。
信号を二つばかり通り過ぎ、パン屋さんの角を右に曲がるとすぐのところにあります。

俳句、書もたしなまれるご主人中村道雄さんご夫婦と息子さんご夫婦でやっておられるとても家庭的なお店です。
同時に、息子さんはさすがに大阪の「吉兆」で修行されただけあって、とても完成度の高い料理を出してくれます。
「おまかせ」の一品一品は、それぞれに季節の素材を活かし、彩りにも細かな気配りが感じとれます。
カウンターとテーブルがひとつ、それに7〜8人が入れる座敷があります。

お店は以前は市谷台町にありましたが、道路の拡幅で今の場所に移転しました。
前のお店にたまたまぶらりと立ち寄って以来のご縁です。
中むら   
東京都新宿区市ヶ谷薬王寺町 
03-3235-7711   
日曜・祝日休

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