久元 祐子 「味」 探訪

抜弁天付近

  
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名産品

 栄寿司

曙橋方向から来て抜弁天の交差点の突き当たりにあります。
もううん年前になるでしょうか、私が高校生の頃からやっておられるお店です。
先日、サロンコンサートのあと、主催者の方と抜弁天の話になり、お嬢さまが近くに住んでいらっしゃることがわかりました。
「僕が日本一と思っているお寿司屋さんがあるんですよ!栄寿司って知ってます?」とお鮨の話で盛り上がりました。大のお気に入りのお店だそうです。
鮃を旬のときに食べるのが最高!とおっしゃっていましたが、私が毎回いただくのは小鰭。
酢の閉め具合がちょうど良く、パサパサしない歯触りが美味です。
20代の頃は、本当によく食べました。お店にかかっているネタ表のほぼ端から端まで制覇したことも・・・最近はさすがにそんなこともなくなりましたが、カウンターに座ると安心感があり、あまり食欲がないときでも「穴子ください」「かっぱ巻いてください」と、ついつい注文が弾んでしまいます。
蒸し海老は、オーダー直後に蒸されて出てきて風味抜群です。
玉子も出来たての湯気がほかほか状態で登場することもあり、ラッキーな瞬間を満喫できます。いつも地元の人でいっぱいのお店。俳優のような先代の大将が握っていた頃、「ただいま〜」っと中学生の息子さんが帰ってきていましたが、今は、その彼がイケメン大将としてカウンターの向こうで采配をふるいます。
ずっと変わらずあったかく世話をしてくださるおかあさんの笑顔とともに続いている、地元のお寿司屋さんです。

栄寿司   
新宿区若松町36−27  
03−3204−1555   月曜休

 高七(天ぷら)

夏目漱石ゆかりの夏目坂を、若松町の三叉路から下って左側にあります。
創業は明治17年。今は、五代目のご主人が仕切っています。新鮮な旬の魚を築地で仕入れ、からっと揚げて目の前に出してくださいます。揚げる油は、毎日取り替えるそうで、「毎日でも食べてもらえる天ぷら」を目指すご主人の心意気に脱帽です。
天ぷらは脂っこくて。。。とか、しつこいからちょっと。。。という方は、是非「高七」の暖簾をくぐることをオススメします。
高七さんを紹介してくれたのが、中学の同級生です。バレー部のエースだった彼女は、今ではお酒もいける口。「モコ(私の中学のときのあだ名)!!今度、美味しい天ぷらとお酒でゆっくり話そうね」と誘ってくれたのです。
そして何とこの5代目ご主人は、同じく中学のクラスメートだったのです。中学のときは、そんな老舗の御曹司さまだなんて知らなかった!!
ですから、もうびっくり仰天でした。次々と手際良く揚げてくれるカウンターの向こうの、すっかり立派になってしまった同級生の姿に感動でした。
先日も胃腸に自信がなくて油ものは苦手、という知人を連れていきましたら、10個、20個と次々に平らげ、「こんなあっさりした天ぷらは生まれて初めて。うまいなあ。。。」と感激していました。
「一献」という新潟のお酒と一緒にいただいたのですが、このお酒がまた天ぷらと相性がいいのです。
左の写真は、帆立の天ぷらです。貝の部分はもちろんですが、肝も味わい深く、やみつきになるおいしさです。
「ご堪能ください!」と出してくださった穴子の天ぷらは、お皿からはみ出る大きさでしかも香ばしい骨付き。ケースの中で動いている沢蟹も「ちょっとかわいそうなんですが、これがいけるんですよ」とからりと揚がった赤い姿で登場です。
簡単なコースから本格コースまで。天ぷらを中心にしていただいたり、お酒を飲むときには小鉢などが混じった献立も用意されています。細やかな配慮とおいしさで、常連さんも満足顔でお店をあとにしています。(2004.5.8 改訂)

高七   
新宿区若松町36−27  
03−3202−4035 

 阿津満(寿司)


靖国通りの曙橋から坂を登り、抜弁天交差点の少し手前を左に曲がると「まねき通り」に入ります。
「まねき通り」は、車が一台通れるかどうかの細い通りで、家庭的な商店、飲食店が連なる商店街です。
また、この通りに沿って、西光庵、法善寺、専福寺、専念寺とお寺がならび、とても落ち着いた街並みをつくっています。
また、永井荷風の「日和下駄」にも登場する西向天神の境内を通りぬけ、大久保中学校脇の細い路地づたいにも「まねき通り」にたどりつくことができます。
「阿津満」は、通りのまんなかあたりにあります。ご夫婦ふたりでやっておられる、とても家庭的なお店です。
テレビは置いておらず、また、ご主人はタバコが大変お嫌いでカウンターで吸うことは厳禁されていますので、店内には凛とした雰囲気が漂っています。
6月の雨の土曜日、映画を観た後にお邪魔しましたが、この日も、バッハの無伴奏チェロ組曲が静かに流れていました。
ご主人は、とくに「旬」にこだわりある方で、きょうは、柳川を出してくださいました。泥鰌は夏の味。泥鰌の野性的な味わいがしっかり生かされていました。


また、蛸も夏の味ですが、三浦半島の地蛸も最高でした。
またこのお店が出してくださる赤身のさくさく感はこたえられません。
7月にお邪魔したときは、やはり夏の味、鱸の洗いが最初に出されました。見た目にも涼しく、こりこり感が最高です。

歌舞伎町から歩いて10分ばかりの別天地です。
(2006.8.12 記)




6月の土曜の夜にお邪魔しました。きょうは、ヴィヴァルディの室内楽が静かに流れていました。
マコガレイをつまみでいただきます。コリコリした食感が何とも言えません。谷中生姜とともにいた魚をだきます。
旬のアオリイカが入荷しているということだったので、ゲソを焼いていただき、生姜醤油でいただきます。ゲソの大きさから見て、かなり大きなアオリイカのようです。
今が旬の海の幸をこうやっていただくのは、幸せなひとときです。(2011.6.29記)
阿津満   
東京都新宿区余丁町 
03-3351-8794  
月曜休

 山根商店(立ち呑み)


新宿の文化の殿堂、新宿文化センターのちょうど斜め向かいにあります。
音楽ホールは、やはり活気のある街中にあり、近くには素敵なレストランや飲み屋さんがあってほしいものですね。とくに、この「山根商店」のような立ち飲みのお店があると、風情があっていいものです。
丸の内線の新宿3丁目からは、明治通りを北上し、日清食品フーディアムの角で右折し、新宿文化センターの方に向かった途中にあります。
お肉屋さんの作業場のような店の前に立ち飲みのカウンターがあり、ビニール囲いでおおわれています。真冬でも少しも寒くはありません。
カウンターの中の大鍋には煮込みがぐつぐつと煮えていましたが、まずやきとんということで、カシラ(下の写真)、それに、ホルモン、シロ、ハツを注文します。
刺身は、子袋刺し、レバー刺し、牛刺しの三種類がありましたが、きょうは牛刺しを頼みました。ほどよく油の筋が走り、何とも言えない味わいです。
立ち飲み初体験は、去年のこと。やはり立って飲むというのは、抵抗があったのですが、一度この店に入って立ち飲みの気楽さを体験するとほかの立ち飲み屋さんにも入れるようになりました。イギリス紳士のパブとはまたひと味違う、日本のおじさんたちが、大いに憂さ晴らしをしている中、あの曲のあそこはああだ、こうだ、と言いながらビールを飲み、日本酒を飲み、、、というのもたまにはいいかな?という感じです。
それにしても焼いているおばさんの手際の良さには、ほとほと感心します。おそらくこの道何十年のベテランの腕前とお察ししますが、まったく無駄のない動き、注文を決して間違えたり忘れたりしないパーフェクトな対応、気さくな人柄、みんなの歓声やパクパクガチャガチャという音をもろともせず、もくもくとモツを焼き続ける姿に、畏敬の念を覚えながら、美味しくいただきました。
豚足(400円)は、コラーゲンの宝庫、美容にもいいということか、女性客の姿もちらほら。。。
ラフな格好のときに、ちょっと寄れる、私にとってはありがたいお店です。
(2005.2.17 記)

山根商店   
新宿区新宿6−27−116  
03−3202−1395

 彦や(和風ビストロ)

東京女子医大からほど近い、抜弁天(ぬけべんてん)交差点の近くにある、和風ビストロのお店です。L字形のカウンターと、座敷のテーブルが3つほどのこぢまんまりしたお店です。
オーナー一人で作るお店なのに、メニューは毎日書き換えられるほど数多く、ホワイトボードに書かれた大量のお品書きは、どれも 一工夫を感じさせるものばかり。
刺身盛り合わせひとつをみても、 すばらしい鮮度+しっかりした仕事に頭が下がります。 そのうえ手が込んでいます。どれをいただいても「うまい」としかいいようのないレベルなのです。
手際がいいのか仕込がいいのかわからないのですが、お店が混んでいてもササっと出てきます。



その中でも私の定番になりつつある「ホタテとフカヒレの春巻き」はたまらないものがあります。ホタテをざっくりとサイコロサイズにカットしてあります。フカヒレはホタテとホタテの間にびっしり入り込み、さらに全体がうっすらとホワイトソースにくるまれています。カラッと揚がった熱々春巻きは二つにカットされて湯気をだしながら出てきます。しかし中のホタテはかすかにレア。春巻きの皮は熱々カリカリ、フカヒレとホワイトソースのトロっとした舌触り、口の中を火傷しそうになりながらいただきます。
私は、20年以上お世話になっていますが、最近は、グルメ本や雑誌に登場することが多くなっていて、敷居が高くなってしまうのではないかと密かに心配しています。
(2006.8.12 記)





久しぶりに、お邪魔しました。
ピュイ・フィッセを頼み、アイナメの薄造り(下の右の写真)、小鯛の酢締め、鮑の塩蒸し、ポテトのアンチョビ風味などをいただき、至福のひとときを送ることができました。
(2010.1.24記)



今年初めてお邪魔しました。
「アオリイカのゲソ焼き」は、ビールに合いました。続いて、シチリアの白ワイン Angelo を頼みましました。
ホワイトボードにぎっしりと書かれたメニューは相変わらず豊富ですが、「いろいろ野菜が入ったチーズフォンデュ」は、初めてだったので、ヘルシーな感じでもあり、さっそく注文しました。見た目もとても綺麗ですね。
このほか、「鯨のカルパッチョ」は、まったく臭みがなく、白ワインにも合いました。
定番の「かに玉」は、さすがという感じです。
「クリームチーズの酒盗合え」で締めることにしました。
とても温かな気持になりました。
(2011.1.9記)



春の宵にお邪魔しました。
ホワイトボードの手前に置かれてあるワインは、アンジェロ・グリッロ。
シチリアの白ワインです。3000円とリーズナブルですが、繊細でさわやか。ときどき頼んでいます。
ホワイトアスパラを肴に楽しみました。
(2011.4.21記)


彦や
東京都新宿区新宿6-20-8 
3351−5837

 フリーモント(インド・ネパール料理)

日本のビジネスマンのランチタイムの人気メニュー ― 大きく分けて蕎麦派、ラーメン派、カレー党なんだそうです。早くて安い、というデイリーなニーズに合うメニューということでしょうか。この3つのうち、どれがベストか、とあえて選ぶとするとカレーかな?というところです。
以前、インド人のご主人を持つ友人がチキンカレーを作ってくれたことがありますが、お手製マサラも入り、素晴らしく美味しいカレーでした。インドでは毎日がカレーなんだそうで、「カレー」という言葉をあえて使ったりしないそうです。 インドには行ったことがないのですが、その友人に聞くとエビのおいしさは、日本とは別格、鳥も新鮮で、びっくりするほど美味だそうです。
大江戸線、副都心線の東新宿駅を出て、職安通りの南側を抜弁天方向に少し歩いたところにアットホームなカレー屋さんがあります。消防署の大久保出張所の並びです。 カレーなどインド・ネパール料理のお店です。カウンターといくつかのテーブルが置かれたこぢんまりした店内ですが、白を基調にしたインテリアで、清潔な雰囲気のお店です。
マスターには、以前、焼き鳥屋さんでたまたま出会い、お話ししたことがあります。ネパール情勢、日本の政治や文化に関する意見、ネパールの人に日本がどう映っているのか、とても興味深い話を聞くことができました。
ランチタイムにお邪魔し、,シーフード・ミックスカレーを注文。サラダとドリンクつきです。今回は、マンゴーラッシーにしました。 レディースコースは、小さめのカレーが2種類とこれまた小さなサラダがつき、飲み物、ナンがついて950円。
私は初めて入ったのですが、結構地元でも人気があるようで、次々にお客さんが入ってきます。おなじみさんが多いようで、日本語をたいへん上手に話すネパール人のマスターと談笑していました。
(2011.6.2 記)
FREMONT(フリーモント)
東京都新宿区新宿6-27-46-1F
03-6278-9760

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