久元 祐子 「味」 探訪

早稲田・大塚

  
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名産品

 志のぶ


早稲田通りからグランド坂を下り、新目白通りの手前の路地を左に入ってすぐのところにあります。
懐かしい雰囲気が漂うこの路地も、地上げにあったのでしょうか、空き地も目立ちますが、何軒かお店が残っています。
その中の1軒、「志のぶ」に行くのはたいてい土曜日ですが、大変な人気店で、いつも混み合っています。店の前の長椅子に座り、庇の間から見える月を愛で、熱燗を少しずついただきながら待つのも風情があります。
刺身、焼き物、珍味などひととおりの肴が揃っていますが、ここの名物はやはりおでんでしょう。どちらかといえば薄味ですが、よく浸み、飽きが来ない味付けです。蛸のおでんやゆずの香りがたちのぼるお豆腐のおでんもあります。
おでん以外では、泥鰌、「めそ子」と呼ばれている鰻の稚魚、つくね、などがおすすめです。
いつもカウンターの中に早稲田の学生さんがいて、手際よくおでんをよそってくれます。
学生街の、活気あふれる名店です。

志のぶ   
東京都新宿区西早稲田1丁目   
03-3203-1648 (日曜、祝日休)


 江戸一


東池袋方面からゆるやかに下ってきた都電の線路が大塚駅前に向かって大きく左にカーブするあたりにあります。
大塚の「江戸一」は、東京の居酒屋の中でも、つとにその名を知られている名店です。
店内に入ると、さすがに凛とした雰囲気が漂い、静かなざわめきがそこにあります。
コの字のカウンターの中は板の間になっていて、奥から肴が運ばれてくるやり方は合理的で、店員さんを見ていても、無駄な動きがまったくありません。
酒は、樽酒が「白鷹」と「泉正宗」、ほかに、「越乃寒梅」「〆張鶴」「司牡丹」などの名酒が揃っています。燗酒もきちんとお湯からあたためてくれます。
肴は、季節の素材を厳選しているのがよくわかります。海鼠も東京ではめったにお目に掛かれない赤海鼠でしたし、鱈の白子汁も絶品でした。
東京で屈指の居酒屋であることは間違いないでしょう。

江戸一   
JR山手線・都電荒川線 大塚駅前
日曜、祝日休

 世界飯店(アジア料理)


大塚駅北口の都電の線路沿いにあります。
「広東料理」という看板ですが、かなりベトナム料理の色合いが濃いようです。ベトナム風牛肉団子うどん(牛丸河粉)、生春巻などエスニックなメニューも揃っています。
とても活気がある、同時に生活感のある店で、隣のテーブルは何かの打ち上げで大いに盛り上がっていますし、カウンターでは、東南アジア系の女の子が一人でエスニック風のラーメンに舌鼓を打っているといった感じです。
雰囲気だけでなく値段も庶民的で、エビセンベイ(蝦片)二百円、味付玉子百円などを肴にハイサワーをいただきました。仕上げに、アツアツのご飯の上に鴨肉がたっぷりと載った「焼鴨飯」(写真)を注文しました。
鴨の肉は堅すぎず、柔らかすぎず、ご飯とともに、一気に胃袋に転がり込んでいきました。
世界飯店   
東京都豊島区北大塚 2-14-8   
03-3576-1757

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