CD 批評 (2005 - 2003)

  Yuko HISAMOTO  CD

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久元祐子 「ピアノ名曲による花束」 (2005/10/21)

・レコード芸術 (2005年11月号)
新譜月評 久元祐子/ ピアノ名曲による花束   

ピアノ名曲による花束那須田務  Tsutomu Nasuda
東京芸大に学び、モーツァルトに関する著書もあるピアニスト、久元祐子によるピアノのための名曲選。すでにリスト、ペートーヴェン、ショパンのアルバムなどのディスクをリリースし、今回のような名曲アルバムとしては他に『ノスタルジア』がある。今回は、『ピアノ名曲による花束』という、よりニュートラルな括りで、バッハからフランス近代のサティ、ドビュッシーと比較的幅広い作曲家が選ばれてぃる。それも一般の愛好家に馴染みの深いオーソドックスな選曲がなされていて、どちらかといえばオール・.ファッションな名曲アルバムといえる。多楽章のソナタからひとつの楽章を取り出して録音するのはこのようなアルバムの共通点だが、聴き応えの面からいえば、やはり物足りない。
選曲として興味をそそられるのは、シューベルトの《別れのワルツ》と《クーぺルヴィーザーのワルツ》。前者は1分33秒というあっけないほど短い曲だが、しみじみとした趣の佳作だ。後者はR・シュトラウスの編曲版。この曲は前作『ノスタルジア』にも収録されていて、それに比ペて新録音の方がよい印象が強いのは録音の違いだけではないだろう。以前の淡い情感に、深みと陰影を加えている。
また、どの曲の解釈もそれぞれの曲の時代様式を押さえているし、ひとつひとつていねいに音を紡いで、それらの楽曲に心からの共感をもって演奏してぃる様子が感じられて好ましい。

神崎一雄 Kazsuo Kanzaki
【録音評】豊かな残響を持つホールの、その残響を存分に取りこんだ録音と感じさせる。そのことによってピアノには豊かな残響が伴い、その豊かな残響がピアノのサウンドをあまやかな耳にやさしい感触で装わせているのが印象的である。親しみやすい名小品集といったアルバム内容を意識しての録音であり音響処理であろう。2005年5月という真新しい録音で、埼玉県松伏町の田園ホール・エローラの収録。<90>
・ぶらあぼ (2005年12月号)
新譜月評 久元祐子/ ピアノ名曲による花束   

通常の演奏会だけでなく、放送番組などに出演したり、レクチャー・コンサートを開催したり、さらに執筆活動でも才能を発揮している久元祐子。録音は少なくないが、今回は「一度は耳にしたことのある名曲や心にしみる作品を集めて弾いてみたい」という思いから始まったアルバム作りだという。何か特別なことをしたいわけではない、とライナーノーツに書いている彼女だが、ヴァラエティに富んだ選曲、自然な曲順の流れなど、徹底的に考え抜かれていることがよくわかる。演奏も同様。あくまでも作品の自然な流れを生かしながら、美しい佇まいを聴かせてくれるのだ。(堀江昭朗)

久元祐子 「巡礼の年 第2年『イタリア』 (2004/10/21)

デーリー東北  (2005年2月2日)
リスト「巡礼の年第2年」リスト作品CD 初めてリリース ピアニスト久元祐子   

モーツァルトの演奏や著作で知られる中堅ピアニストの久元 祐子が、リスト作品のCD[巡礼の年・第2年『イタリア』」を出した。6枚目のCDとなるが、初めてリストだけに挑んだ。
『巡礼の ― 』はリストが1837年のイタリア旅行で出会う美術や文学に触発された作品群で、ラファエロの絵画「マリアの結婚」に想を得た『婚礼』、ペトラルカの「抒情詩集」に由来する『ソネット』3曲、そしてダンテの詩編「神曲」の冥界(めいかい)を描いた名曲『ダンテを読んで』など全7曲。
久元は高度な演奏技術のみならず、持ち味の知的な構成力で作品全体をとらえ、リストの芸術世界を提示。「リストというとビルトゥーゾ的な面が強調されるが、まとめて弾いてみると、音楽のほか文学など他の芸術への広がり、エネルギーを改めて感じることができる」と手応えを話した。(Bishop Records EXAC002)

―ほかに、山形新聞(05.1.21)、長野新聞(05.2.4)、島根日々新聞(05.2.4)、八重山毎日新聞(05.2.15)、十勝毎日新聞(05.2.23)、

久元祐子 「ノスタルジア*懐かしい風景」 (2003/5/25)

・レコード芸術  (2003年7月号) ノスタルジア
新譜月評 「久元祐子 Nostalgia 〜懐かしい風景〜」  

かねてショパン、ベートーヴェンなどを収めたCDを通じ、「己れの世界」を持つピアニストであることを印象づけた久元祐子が、小品集のアルバムを作った。「ノスタルジア〜懐かしい風景」と題されているが、小品アルバムとは言え、ありきたりなポピュラー名曲集ではなく、彼女自身がひとつの趣向ないし”心の向き”をもって、レパートリーの中から注意ぶかく選り抜き編み上げた花束の趣がある。
 リスト、シューベルト、シューマンからR・シュトラウス、フォーレ、ドビュッシーを経て、グリーク、シベリウス、そしてめずらしいハチャトリアンの小曲までも取り上げる。さらにカバレフスキー、ディーリアス、となれば、かなりに「こだわり」をもって編まれたアルバムだと察せられよう。ただし、演奏ぶりには妙な「こだわり」など感じられず、逆に、虚心坦懐なさわやかさが、たしかに、いつか聴き手の心の琴線を共鳴させる。
 誰でもが、旅に、自然との触れ合いに、あるいは子供の頃や特定の人の思い出を前におぼえる、得も言われぬ感情・・・・・ピアニストがここに集めたのは、それにかかわる楽曲にほかならない。すなわち、選曲、演奏のすべてにわたって、アーティストの詩的感性がしっくりと品よく浮かび出た、愛惜に値する1枚のディスクである。
 ドビュッシー<そして月は荒れ果てた寺院に落ちる>(《版画》第2集)のタッチなども出色で、いずれ「月光の音楽」の特集盤でも、この人から弾かせてほしいと、ふと考えた。<濱田滋>

【録音評】 音がのびのびと開放的に広がって美しい。響きそのものは決して豊かではないが、透明度の高い間接音が全体をサポートしている。小気味よい快適感はあるが、重心を下げた安定したサウンドとは異なり、やや軽め。また、左右への音の広がりも自然で、必要以上にサイズを大きくしていない。  <90>石田
・クラシック・ニュース  (2003年5月29日)
CD情報「久元祐子 Nostalgia 〜懐かしい風景〜」  

このような楽しいCDに巡り会えた歓びを深く味わっている。選曲の面白さも久元祐子の知的で音楽に対する限りない憧憬の気持ちを反映している。飾り気やけれんみのない音楽もストレートに心を打つものがある。

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