Niccolo Jommelli

ナポリ出身のオペラ作曲

ニコロ・ヨメッリ(Niccolo Jommelli, 1714 - 1774)は、18世紀半ばに活躍したイタリアの作曲家です。
ナポリ近郊の小さな町アヴェルサで、裕福な商人の家に生まれました。幼少の頃から音楽に才能を示し、ナポリの音楽学校で勉強しました。
1737年、ナポリで初めてのオペラを発表してデビューを果たした後、ローマ、ボローニャ、ヴェネツィア、フェラーラ、ルッカなどでも公演を行い、ヨメッリの名前はイタリアで急速に知られるようになりました。一時期、ヴェネツィアに滞在し、宗教曲や合唱曲も作曲しました。
ヴェネツィアを離れた後、ヨメッリはドイツに渡り、1753年にはシュトゥットガルトでヴュルテンブルク伯の宮廷で楽長となり、オペラ作品を次々に作曲しました。
1768年にナポリに戻り、オペラの上演や新作の発表などを行いましたが、1774年にナポリで没しました。
ヨメッリはオペラ・ブッファよりもオペラ・セリアの分野で名声を博し、18世紀のイタリア・オペラを代表する作曲家とされています。

モーツァルトが鑑賞
モーツァルトが初めてヨメッリに会ったのは、1763年に、ヨメッリがシュトゥットガルトのヴュルテンブルク伯の宮廷楽長としてルートヴィヒスブルクに滞在していたときです。モーツァルト一家は、西方への大旅行の途中でした。
また、モーツァルトは、第1回イタリア旅行でミラノに滞在したとき、ヨメッリの《見捨てられたディドーネ》を観ています。そして、ナポリに足を延ばしたとき、サン・カルロ劇場で、《見捨てられたアルミーダ》を観ています。
モーツァルトは本場のオペラにさぞ感激したと思いきや、「見事だけど、あんまりよく出来すぎていて、しかも芝居として時代遅れ」と切り捨てています。

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