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- カンナビッヒと再会
- モーツァルトは、10月29日、ミュンヘン(Munich)に到着しました。ミュンヘンにはカール・テオドールの宮廷がありました。
カール・テオドールはもともとはプファルツ選帝侯で、宮廷はマンハイムにありましたが、バイエルン選帝侯を兼ねることになり、ミュンヘンに宮廷を移していました。(この経緯については、ミュンヘン6 を参照)。
マンハイムにはたくさんの音楽家が活躍していましたが、その多くは、カール・テオドールに付き従ってミュンヘンに移り住んでいました。マンハイムでかつて世話になったマンハイム楽派の巨匠、クリスティアン・カンナビッヒ もこのときミュンヘンにおり、モーツァルトはカンナビッヒ一家と再会し、楽しいひとときを過ごしたようです。
マンハイムの宮廷楽団は、かつてヨーロッパ随一の名声を誇っていましたが、ミュンヘンに移ってからは、楽団員の数も減らされ、かつての輝きは失われていたようです。
- 宮殿でのコンサート
- ちょうどこのとき、ナポリの国王フェルディナント4世と王妃のマリア・カロリーナがマンハイムを訪問していました。選帝侯カール・テオドールは、ナポリ国王夫妻を歓待するため、モーツァルトを宮殿の「皇帝の間」(下の写真)に呼んでコンサートを開きました。
ナポリ国王はウィーンも訪問していますが、皇帝レオポルト2世はモーツァルトに声をかけませんでした。
モーツァルトは、「ナポリの王様が、こともあろうに異国でぼくの演奏を聴くはめになろうとは、ヴィーンの宮廷にとってすばらしい名誉なことだ」と皮肉っています。
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