ストラディバリウスとベーゼンドルファーの響き

森で響くベートーヴェンは格別です。自然を敬愛したベートーヴェンの想いが緑の中に沁み渡るように感じます。

蓼科・智源山房でヴァイオリンの永峰高志先生と共演させて頂きました。「ストラディヴァリウスとベーゼンドルファーの響きvol.2」

昨年のスプリング・ソナタに続き、今年は「クロイツェル」。ヴァイオリンソナタの王者の風格を備えた大曲に挑みました。人間の持つあらゆる感情を抉り取り、音世界に体現したベートーヴェン。

ストラディヴァリウスがベストな響きになるため、湿度を50%を保ち、お天気の神様に祈りました。

時に激しく、時に悲しく、時に美しく。
あらためて、偉大な名曲の持つ力に圧倒されました。

今回、演奏前に慶應義塾大学ドイツ語学教授の三瓶慎一先生に、ベートーヴェンの「ハイリゲンシュタットの遺書」のドイツ語、日本語訳の朗読をお願いしました。

肖像画から飛び出してきたかのようなベートーヴェン先生登場に、一同かたまりましたが、手紙の朗読が進むにつれて苦悩のベートーヴェンの言葉に引き込まれ、19世紀ウィーンに連れていかれました。

ハイリゲンシュタットの遺書の直後に作曲された「クロイツェル」。

朗読+演劇による「ハイリゲンシュタットの遺書」の直後の演奏で、その世界に自然に入ることができた不思議な体験でした。サロンならではの臨場感とコラボレーションとなりました。

ドビュッシーでは、聞こえないくらいのピアニッシモを目指しました。これもサロンならではの挑戦でした。

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