国立音楽大学創立100周年記念事業スタート

2026年に100周年を迎える国立音楽大学。記念事業の第1弾として「音楽×データサイエンスの創発セッション」が、6号館110スタジオで開催されました。
梅本実学長のご挨拶に続き、コンピュータ音楽の濱野峻行先生がコンピュータ音楽専修の取り組みについてお話しされ、2023年度より新設された「音楽データサイエンス・コース」について三浦雅展先生がご説明されました。

音楽データサイエンスについての記事も興味深く拝読させて頂いたところです。私自身「演奏を科学する」分野の「これから」の可能性を楽しみにしている1人です。

国立音大生と滋賀大生のコラボレーション企画としては、バッハとボカロ風音楽のミックスをAIが作成したら?という挑戦。ヤマハが開発した音声技術「VOCALOID」については、初めて聞くことがほとんど。異なる専門の学生がそれぞれの知見と感性を生かして挑戦してくれた発表はとても新鮮でした。
また音楽推薦の可能性についての発表が行われた創発セッション。錚々たる学者の先生方を前に、のびのびと発表する学生達のしなやかさに感服。

ポスター発表では、高橋美旺さんがピアノのオクターブ打鍵における緊張状態の測定方法に関する一考察について発表してくださり、指使いの違いによって、筋肉の緊張状態が変わってくることをデータで証明。指使いは音楽的仕上がりを決めるだけでなく、長いピアノ人生の中で重要であることが可視化されました。
「自然であること」「動きが優雅であること」「長い指で黒鍵、短い指で白鍵」という、ショパンに続く巨匠達が言う指使いの基本が、科学的な分析によって証明されることで、より説得力を持ってきます。

ひと昔前の根性物語のような訓練法の時代が終わり、科学の裏付けによって、健康な状態を保ちながら筋肉を傷めることなく、楽にテクニックを身につけていくメソードの時代が始まったことを実感しました。

季節ごとに美しい大学のキャンパス。。。。駆け足で駅に向かい、関西へと移動しました。

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