東京都美術館・フェルメール展

9月1日の、東京文化会館でのリサイタル、そして、その後の金沢、新潟でのコンサートツァーが終わり、ほっと一息ついた金曜日、大好きなフェルメールを見に、東京都美術館へ。
仕事を終えて夕方家を出たので、上野公園を汗だくで早歩き。でも金曜は、夜8時まであいていることがわかりほっと一息。歩幅をゆるめて、ゆっくりと鑑賞できました。
デルフトの巨匠たちの絵画のコーナー。
風景、デルフト教会を描いたもの、中には自分が魚眼のように広い視野になったように感じる絵など、17世紀にタイムスリップした気分でした。
ちょうどバッハが生まれり少し前の頃のヨーロッパの生活が絵の中から浮かび上がってきました。カレル・ファブリティウスの「楽器商のいるデルフトの眺望」など、当時使われていた楽器も登場したり・・・。
ひとつ上の階にあがるといよいよフェルメール!
光の表現が見事で、まるで本当にそこに光が当たっているかのような美しさです。微妙な光と影のうつろい、あるときは、大胆な色遣いの変化など、見る者を惹きつけます。
音楽と同じで、光と影のうつろいは、ハーモニーのうつろいであり、構図の見事さは、リズム、拍子、テンポのようです。
「ワイングラスを持つ娘」は、ずっと赤ワインを持っていると思いこんでいたのですが、白ワインでした。近くでほおづえをついている人がいったい誰なのか、気になります。
フェルメールの絵には、ドラマと謎とミステリーで見る者の心、想像力に働きかけるのです。
「ヴァージナルの前に座る若い女」は、もっとずっと大きい絵だと思っていたのですが、実物はささやかな大きさでした。

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