ピアノとヴァイオリンの語らい

紫陽花の季節となりました。

今日は朝日カルチャーセンター新宿におきまして、「ピアノとヴァイオリンの語らい」と題し、ベートーヴェンヴァイオリンソナタ第10番ソナタ、そしてシューベルト第2番のヴァイオリンソナチネの2曲を取り上げました。ゲストの伊藤太郎さんは、国立音楽大学を優秀な成績で卒業したばかりの若手ヴァイオリニストです。

「不滅の恋人への手紙」を書いた1812年に作曲されたベートーヴェンのソナタ第10番、ロマンティックで神秘的な呼びかけで始まる冒頭。最終楽章の変奏曲には、カンタービレのゆったりとした変奏やフゲッタが含まれ、変化に富んだファンタスティックな作品です。この曲を熱愛したシューベルトがその4年後、19歳のときに作曲したイ短調ソナタ。アンダンテ楽章には、ベートーヴェンのアンダンテ・ファヴォリの旋律が垣間見えます。

4楽章形式の二つのソナタを弾き比べ、二人の作曲家がヴァイオリンとピアノに託した想いにアプローチしました。
二つの異なる音が、掛け合い、溶け合い、語り合い、競い合い、変容しながら進行していきました。

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