カフェ・プレイエル

松本市波田のカフェ・プレイエル。
2014-10-04-12-50-11
このあたりを通るたびに、なんとなく気になっていたカフェなのですが、思いがけずベーゼンドルファーの工房を主宰なさる福田様ご夫妻のご縁でお声をかけていただき演奏会となりました。
エラール1909年製とプレイエル1923年製、2台のアンティークピアノが仲良く並んでいます。全く異なる2台の楽器は、1台を弾くより、2台を続けて弾いたほうが、その個性が浮き上がります。今回は、モーツァルト・プログラム。静かな「アヴェヴェルム・コルプス」などしっとりとした曲を中心に、2台の音色をお楽しみいただきました。
秋深まる松本。りんご、洋梨、アケビなど実りの季節を迎えていました。
2014-10-04-11-16-22
「ピアニストの兵隊さん」の著者、古畑博子さんがオーナーのカフェ・プレイエル。ぬくもりのあるカフェの雰囲気が地元の皆さんの憩いの場所になっていました。「ピアニストの兵隊さん」は、博子さんのお母様である 絢子様の戦争体験が綴られた絵本です。敗戦後やってきたアメリカ兵が、赴任した中学にやって来たときのお話です。アメリカ兵は、そこにあったピアノでショパンのノクターン作品9-2を演奏。その瞬間、敵味方の隔てなく心が一つになったそうです。それぞれの国の歌をピアノで弾き、心の交流が続いたそうです。
「兵なれば ピアノ弾く手に銃を持つ 敵も味方も憐れ戦は」  絢子さんの言葉が胸に響きます。
演奏会を聴いてくださった絢子さんのために、アンコールは、ショパンのノクターン作品9-2。
2014-10-04-16-03-19
演奏会には、5月に松本でモーツァルトのピアノ協奏曲を共演させていただいた音楽仲間や親しい友人もいらしてくださり、久しぶりの再会が嬉しいひとときでした。
人の心を結ぶ音楽の力、そのきっかけを作ることができるピアノの力を感じた松本の一日でした。

コメント