至高の音をつくる

今日は、録音の仕事があり、「タカギ・クラヴィーア」で、10曲ほどの小品とソナチネなどを入れました。

このサロンでは、レクチャーコンサートやモーツァルティアンフェライン例会などの機会に弾かせていただいています。
毎回違うスタインウェイが置いてあり、不思議に思っておりましたが、
その理由がわかりました。

スタインウェイは、貸出用として常に何台かがあり、試合に出かける選手、ベンチで待機している選手、合宿で力をつけている選手、という具合に、入れ替わっているというわけです。
フルコンサートのスタインウェイをご自分で会場に運ばれ、コンサートをサポートする、ということを続けておられるそうです。そのあたりの苦労話やエピソードがつずられている本が出ました。
たまたま受付に置いてあり、気になって1冊求めた次第です。

「調律師、至高の音をつくる~知らざれるピアノの世界」。

一般に知られざれることというのは、私たちピアノに携わる者が皆痛感していることでもあり、内幕が書かれた本でもあります。「そうそう!」と膝を打ちながら読むところも多々出てきます。
楽器を会場に運んで演奏会で使う、古楽器の世界では当たり前のことが、現代ピアノの演奏会では、みんなずっとあきらめてきました。
ピアノがない会場では、ピアノはあきらめて弦楽合奏に、あるいは、アップライトしかない会場のときは、歌の伴奏にまわる、などという状況は、少しずつ変わりつつあるのかもしれません。

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