神楽坂・音楽之友社

神楽坂は料亭街として知られますが、私にとっては最初の出版のときからお世話になっている「音楽之友社」と「音楽の友ホール」が真っ先に浮かびます。
編集の石川さんと一緒に最後のチェックと校正をした部屋、デビューリサイタルで緊張して出たステージの感触も覚えています。
今日は、「ムジカノーヴァ」の取材ということで、コジマ録音のスタッフ吉田さんと一緒にお邪魔しました。

玄関を入るとまず、その月の新著、楽譜コーナーがあります。真っ先に目に入ったのが、礒山雅先生の新著「救済の音楽」です。
パッと開くとモーツァルトのページ。インタビューのことも忘れて思わず読みふけってしまいました。
示唆に富む斬新な一言一言に引き込まれます。バッハ、ベートーヴェンと、それぞれの作曲家に対する鋭く深い切り込み、かつそれぞれの音楽への愛情にあふれた文章です。
取材を終え、早速注文した次第です。

神楽坂は、常に一方通行。12時から12時で方向が交代します。その昔田中角栄さんの行動に合わせて方向が決められたその名残だそうですが、車がやっと1台通れる細い通りに、たくさんの商店が並びます。もちろん今風のスーパーやチェーン店の喫茶店などもあるにはあるのですが、代々続いている和菓子屋さんやお豆腐屋さんやお総菜屋さんなど、嬉しい存在です。
一本路地に入ると、昔ながらの飲み屋さんがあったり、また違う風情が楽しめます。古き良き風情がいつまでも残ってほしいと願っている神楽坂ファンの一人です。

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