モーツァルトのピアノ音楽研究

「本」 を  「音」
Klavierwerke
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Mozart
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久元 祐子
 『モーツァルトのピアノ音楽研究』
(音楽之友社) 2008年9月
 「本」「音」
演奏 : 久元 祐子

本書の本文中、(sound) とある箇所について、音にしてありますので、お聴きください。
 (sound) をクリックすると、音が流れます。

 2008年8月13日、セレモアコンサートホール武蔵野で録音。
 使用ピアノ:ベーゼンドルファーMod.225
         ヨハンシュトラウスモデル
 *は、クラビノーヴァでチェンバロを選択し、録音。
『モーツァルトのピアノ音楽研究』 目 次

はじめに
第1章 クラヴィーア ‐楽器について‐
第2章  ピアノ音楽・クロニクル 1.天才の誕生と学習
第3章  ピアノ音楽・クロニクル 2.青春のモーツァルト
第4章  ピアノ音楽・クロニクル 3.絶頂期のモーツァルト
第5章 ピアノ音楽・クロニクル  4.モーツァルトの没落と死
第6章  モーツァルトとハイドン
第7章  即興とカデンツァ

おわりに

はじめに
(sound1) 《メヌエット ニ長調K355(576b)》 

第1章 クラヴィーア‐楽器について‐
 ・神童とピアノフォルテ

(sound2) エッカルト:《クラヴサンまたはピアノフォルテのためのソナタ 作品2》

(sound3) 《クラヴィーアのためのアレグロ72a》*



第2章  ピアノ音楽・クロニクル 1・天才の誕生と学習
 ・西方への大旅行

(sound4) 《ロンドンの楽譜帳》からト短調 K(6)15p *

 ・オリジナルのピアノ・コンチェルト

(sound5-1)  ピアノ・コンチェルト ニ長調K175 第1楽章 カデンツァ
(sound5-2)                同      第2楽章 カデンツァ

 ・ヨハン・クリスティアン・バッハの影響

(sound6-1) モーツァルト:ピアノ・ソナタ ト長調 K283 第1楽章、第1主題
(sound6-2) ヨハン・クリスティアン・バッハ:ピアノ・ソナタ ト長調 作品5の3
                      第1楽章 第1主題

(sound7-1)  モーツァルト:ピアノ・ソナタ ト長調 K283 第1楽章   推移部から第2主題
(sound7-2)  ヨハン・クリスティアン・バッハ:ピアノ・ソナタ ト長調 作品5の3
                      第1楽章 推移部から第2主題
 
 ・《デュルニッツ・ソナタ》

(sound8-1) モーツァルト:ピアノ・ソナタ ニ長調 《デュルニッツ》  第1楽章 提示部
(sound8-2) ヨハン・クリスティアン・バッハ:ピアノ・ソナタ ニ長調 作品5の  第1楽章 提示部 
(sound9) K284 の冒頭から推移部まで、第2主題はバッハの作品5の2、推移部から K284

第3章  ピアノ音楽・クロニクル 2・青春のモーツァルト
 ・K311のソナタ

(sound10) ピアノ・ソナタ ニ長調 K311 第3楽章 カデンツァ

 ・ KV 310のソナタ

 ピアノ・ソナタ イ短調  KV 310 第2楽章

「この緩徐楽章はアンダンテ・カンタービレ・コン・エスプレツシオーネと書かれているが、これはこの楽章の始まり(sound11-1)の、歌うような、表情豊かな部分に対する指定である。私たちは、それ自身で充足し、保護された、雨風の吹きこまない空間に入り、その中を一定のテンポで歩みながら、海のような、安らかな、恍惚とした感覚が押し寄せてくるのを静かに味わうのである(sound11-2)。こうした気分は、この提示部を、急がず、焦らず、もう一度繰り返すとき、さらに倍加される。だが、そのあと、モーツァルトは別に声を大きくするわけでもなければペースを速めるわけでもなく、静かに床の揚げ蓋を開ける(sound11-3)。そこからは、平安を乱し、騒がせる力が吹き上げてきて、最前までの世界を忘れさせてしまいそうになる。
 その驚くべきコントラスト、ムードの暗転、耳に刺さるシューベルトの使うような不協和音(sound11-4)、短調と長調をシフトしながら続く、速い容赦ない転調(sound11-5)などが目につくが、モーツァルトはこうした混沌と崩壊にあとを委せる気はない。むしろ、これらの爆発の勢いが収まると、彼はもとのエデンの状態の回復に動くが(sound11-6)、回復された姿はメロディの修飾や音型の手入れによって原型より一段と高い状態のもの(sound11-7)になっている。
 モーツァルトはここで一度主調のヘ長調に戻ったあとまもなくそこから外れていくので、帰路は長引いて(sound11-8)、最後の和音に落ち着くまでにヘ長調になるのはわずか一度しかない(sound11-9)。途中には新たな争い(sound11-10)が起こらないでもないが、終りにいたって彼はそのデーモンを静める(sound11-11)ので、デーモンはただ記憶の上だけの存在となる。」(メイナード・ソロモン著、石井宏訳『モーツァルト』新書館304頁以下)。
 
(sound12) ピアノ・ソナタ イ短調  KV 310 第3楽章 
(sound12-2) 同 第1拍の8分休符を8分音符に置き換えたもの

第4章  ピアノ音楽・クロニクル 3・絶頂期のモーツァルト
第4章  ピアノ音楽・クロニクル 3・絶頂期のモーツァルト

 ・ハ短調の幻想曲とソナタ

(sound13) ピアノ・ソナタ ハ短調 K457 第3楽章 (自筆譜)
  右手と左手が離れていき、両手が交差し、4オクターブ弱音が跳躍するところ
(sound14) ピアノ・ソナタ ハ短調 K457 第3楽章 (初版譜)
  同じ箇所。交差が浅くなっている。

(sound15) ベートーヴェン:《悲愴ソナタ》第2楽章から
(sound16) モーツァルト:ピアノ・ソナタ ハ短調 K457 第2楽章から
第5章  ピアノ音楽・クロニクル 4.モーツァルトの没落と死
第6章  モーツァルトとハイドン
・ピアノ・ソナタに見る違い

(sound17) モーツァルト:ピアノ・ソナタ ハ長調 K279 第3楽章
      展開部の開始から、本当の再現部まで
(sound17-2) ハイドン:ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.]Y-21 第3楽章から
      展開部の開始から、本当の再現部まで
第7章  即興とカデンツァ
・即興的修飾

(sound18)  ピアノ・ソナタ ヘ長調 K332 第2楽章 から (自筆譜)
(sound18-2) ピアノ・ソナタ ヘ長調 K332 第2楽章 から (初版譜)
(sound19) 《ロンドンの楽譜帳》ヘ長調K15a
      同じ音型のまま変化させないで弾いた演奏
(sound19-2) スコアどおり音型を変化させた演奏

・モーツァルト自身のカデンツァ

(sound20) ピアノ・コンチェルト 変ホ長調 K271 第3楽章 カデンツァ
(sound21) 同楽章 カデンツァ
(sound22) 同楽章 カデンツァ

(sound23) ピアノ・コンチェルト イ長調 K488 第1楽章 カデンツァ

 モーツァルト自身のカデンツァが残されている作品についても、後世の作曲家がカデンツァをつくっており、ここでは、アウグスト・エバーハルト・ミュラーがK488第1楽章のために作曲したカデンツァを挙げる。
(sound24) 同楽章 カデンツァ(アウグスト・エバーハルト・ミュラー作曲)

(sound25) ピアノ・コンチェルト 変ロ長調 K595 第1楽章 カデンツァ
(sound26) ピアノ・コンチェルト 変ロ長調 K595 第3楽章 カデンツァ

・後世の作曲家によるカデンツァ

(sound27) ピアノ・コンチェルト ニ短調 K466 第1楽章 
                 カデンツァ(ベートーヴェン) 
(sound28) ピアノ・コンチェルト ニ短調 K466 第1楽章 
                 カデンツァ(フンメル)
(sound29) ピアノ・コンチェルト ニ短調 K466 第1楽章 
                 カデンツァ(クララ・シューマン)