エミール・フォン・ザウアー 

Emil von Sauer   1862 - 1942

演奏に関する「箴言」

はじめに
クヴァンツ
テュルク
C.バーニー
L・モーツァルト
スタンダール
R.シューマン
C.ドビュッシー
フィッシャー
ゲオン
ランドフスカ 
ザウアー
スコダ
ブレンデル
武満 徹
C.ローゼン
浅田 彰

Emil von Sauer


ハンブルクで生まれたドイツのピアニスト。サンクトペテルブルクでアントン・ルビンシテインの指導を受けた後、モスクワ音楽院に学んだ後、ヴァイマールでフランツ・リストに師事。 1901年からウィーンで後進の指導に当たる傍ら、ヨーロッパ各地、アメリカで演奏旅行を行った。、ショパンやリストなどの作品の校訂者としても知られる。
とくによいできの演奏後に人びとから
「こんなすばらしい演奏をなさるには、きっとシャンぺンを一本お飲みになったのでしょうね」
とよくいわれるのであるが、これほど事実と遠い話もあるまい。
半本のビールでさえわたしの独奏会を破滅に導くのである。
アルコールをとることが熱情的な演奏を生むと考える習慣はまことに危険な習慣で、多くのピアニストの破滅の原因となっている。
最善のコンディションを保ちたい演奏家は、注意深い節制の生活をしなくてはならない。

エミール・フォン・ザウアー

ほろ酔い気分で、内輪のパーティーなどで弾くのは別にして、長くピアノを職業として行っていく上で、アルコールが手強い敵であることは間違いないでしょう。
私の友人のピアニストでも、本当は相当いけるクチなのに「飲めない」ことにしている人もいます。
そうは言っても、特に地方に演奏にいったときに、土地の素晴らしい料理とともに味わう地酒の味はまた格別です。しみじみと語らいながら、ほんの少し、おいしいお酒をいただくようにしています。

(引用文献) 原田光子編「大ピアニストは語る」(東京創元社)

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