久元 祐子 「味」 探訪

神 戸

  
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名産品

珈琲館 信州安曇乃

JR六甲道から北に数分の場所に珈琲館「信州安曇乃」があります。

安曇野での演奏会の翌日、帰途の途中で、
安曇野のネーミングに惹かれて
お店にふらっとお邪魔したのが最初でした。

丁寧に落としてくださる香り豊かな珈琲と
マスターの上仲さんの温かいお人柄に感激。
以来、時間ができると、寄らせていただいております。

珈琲館 信州安曇乃

毎回、その日の雰囲気に合わせて
カップを選んで、ゆっくり大切に入れてくださるのですが、
その素晴らしいカップの数々、実は
大震災の日に、すべてが壊れてしまったお話をお伺いし、胸が痛みました。

それ以来、一つ一つ集めてこられ、
現在に至るとのこと。
マスターが淡々と静かに語られるお話に、
重ねてこられた時の流れと
お店を1986年オープンされて以来の長い歴史を感じます。

そして、店内には、なんと1300体を超える「ふくろう」たちが!
前回いなかった新人フクロウを見つけると、その出自が気になったりして・・・。
常連さんからのお土産などでどんどん増えていくのだそうです。

珈琲館 信州安曇乃

ジャズをバックに静かに珈琲をいただき、
マスターとしばしお喋りタイム。
音楽のこと、神戸のこと、カップ&ソーサーのこと・・・etc.

東京から来た母は、”神戸時間”をゆったりと「安曇野」で過ごし、
友人は、ちょうど焼物の展示の日に重なり、お気に入りのカップに巡り逢い購入!今も愛用しているそうです。

去年の冬には、ロイヤルミルクティーを飲む主人と
子供の頃、教室に入ってきた「フクロウ」の話で大いに盛り上がりました。

「信州安曇乃」30周年を迎えた昨年暮れ。
これからも40周年、50周年・・・とフクロウたちとともに、神戸を見つめてくださることでしょう。

(2017年4月24日記)

珈琲館 信州安曇乃
神戸市灘区森後町1−4−3
078−841−9501

お魚きりゅう

グルメの街神戸は、海の幸、山の幸がいっぱい。

淡路の鮮魚、全国の旬のお魚がおいしくいただけるお店です。
お寿司屋さんが始まりというのも納得。

三ノ宮駅北側フラワーロードから左に入ったビルの2階にあります。

ドアを開けると「いらっしゃ〜い!」という元気な女性の声。この日は、落ち着いた個室でくつろがせていただきました。
小部屋の横に厨房と直結の小窓が!
「はい、どうぞ」と小窓が開いて出来立てのお料理や冷たいビールが1秒でテーブルに。愉快なシステムでした。

東京から来たお魚好きの友人も大満足。
最後にいただいた「ウニいくら丼」のご飯の美味しさも格別。

新鮮なお魚と旨いお酒、、、。
日本人で良かった!と思えるお店です。

お魚きりゅう

(2017年3月23日記)

お魚きりゅう
神戸市中央区加納町4−5−13
050−5867−2037

 ハクサン(お好み焼き)

2004年暮れ、神戸・元町のアマデウスでのコンサートで演奏した翌日、昼どきに入ったお店です。
三宮駅の南、サンプラザの1Fにあります。サンプラザができる前からある老舗です。
左の写真ではちょっと見にくいのですが、「大貝、カキあります」と書いてあります。カキはともかく、大貝は、東京ではなかなか見かけない珍味です。
神戸のお好み焼き屋さんにはときどき入るのですが、メニューに「大貝」と書いてあっても「ごめんな。ねえちゃん。今日は大貝終わっとるんよ。今度は置いとくからかんにんや」と言われることもしばしば。

最初、関西のお好み焼きやさんに入ったときは、まわりがいったい何を注文しているのかわからず、ほとんど外国語を聞くような感じでした。ミックスのことを何故にチャンポンというのか?!焼きそばが混じっていると何故”モダン焼き”と名称を変えるのか、わからないことだらけでした。
しかもびっくりしたのは、あっちのテーブルもこっちのテーブルも上品そうな奥様までもが”こて”から直接お好み焼きを口に運んでいるのです。
この日は、ラッキーなことに大晦日にもかかわらず「大貝あります!」の期待は裏切られることがありませんでした。さっそく大貝、それに鮹の二種類が入ったチャンポンのお好み焼きを注文しました。
きちんとした神戸のお好み焼き屋さんには、ソースは「辛口」「甘口」の二種類が置いてあり、「甘口」のソースをたっぷり塗り、青海苔と鰹節をふりかけていただくことにします。
コテで切れ目を入れると、何とも言えない香りが広がり、否が応でも食欲をそそります。ふんわりとした生地の中に、大貝と鮹がたっぷり入っていて大満足。ビールにとっても合いました。
お好み焼きは、作り方は簡単なように見えますが、お店によってどうして味がこんなに違うのでしょう。固かったり、ぱさぱさだったり、まだ焼けていないのに出してきたり・・・といったお店もあるのですが、ハクサンのお好み焼きは、伝統ある神戸のお好み焼きの味をよく今日に伝えているようです。マヨネーズを乗っけていないのも志の高さが窺えます。
もう1枚たべたいなぁ。。。と思うところでやめておくのが、関西のお好み焼き道とか?!それにしても隣の綺麗なお姉さんもお好み焼き歴ウン十年と見受けられるおじいさんも、コテ使いのうまいこと、うまいこと。

東京人の私は、やっぱりコテで切って小皿に乗せて割り箸で食べる、という芸大のコンパで覚えた食べ方しかできません。いつかコテで直接食べられるようになったときが、お好み焼きの通に仲間入りできるときかもしれません。

(2005年1月15日記)

 

久しぶりに、大晦日にハクサンにお邪魔しました。
ちょうど、昼時だったせいか、次々にお客さんが訪れ、それぞれの流儀で、注文されていました。
きょうは、まず、大貝、蛸、烏賊が入ったちゃんぽんのお好み焼き、それに、蛸、海老が入った入ったやきそば、ネギ焼き、そして、大貝の塩焼き(写真)、と、本能が赴くままに注文してしまいました。
マヨネーズはついていませんし、やはりこのお店では、マヨネーズがない、とか、マヨネーズをつけて、とか、注文をつける人はいません。

(2009年12月31日記)

ハクサン
神戸市中央区三宮町1-8 サンプラザ1F 121号
078−331−5630

Sunshine(バー)

バーのマスターという存在は、昔から憧れの職業のひとつ。祖母の家に、なぜかカクテルづくりの本と道具がそろっていて、相模原の祖母の家に出かけるたび、その本を眺め、カクテルの名前をひとつひとつ覚えたりしていました。いつか、お酒OKの年になったら、お洒落をして、バーに出かけよう。そして自分でもカクテルが作れる人になりたいなぁ。早く大人になりたいなぁ。。。と考える、ヘンな小学生でした。
カウンターの向こうから、さまざまな人間模様を眺め、そして、言葉少なく、お客さんにぴったりのカクテルを手際良く作って、さっとお出しする。。。カクテルの腕前はもちろんのこと、ダンディでスマートで、知性と優しさがないと。。。と理想のマスター像は、どんどんふくらみます。
昨年暮れ、関西に行った折り、久しぶりに夜の神戸の街を楽しみましたが、三宮で立ち寄った Sunshine は、素敵なマスターがおられるバーです。毛利さんは、神戸きっての老舗 YANAGASE のバーテンダーをされ、独立して Sunshine を開業されたそうです。
毛利さんは、豊かな経験から来る自信と、ユーモアあふれる楽しい方でした。この界隈でも人気のマスター。第一人者として同業の方からも一目置かれる存在のようでした。
この夜は、「フローズンダイキリ」「タンカレのジントニック」「ボーモア」をお願いしました。鴨のくんせいとチーズの盛り合わせを一緒にいただきながら、味も香りもボリュームも雰囲気も大満足。
ボリュームといえば、都内の某ホテルのバーなどに行くと、一口飲んであっと言う間になくなってしまうような一杯が、ここでは、一杯というより「いっぱい!」なのです。お洒落で、かつ温かい。お隣には、常連さんとおぼしき3人組。楽しそうなお話を小耳に挟みながら、楽しく酔っぱらったゆうべでした。

(2005年1月15日記)

Sunshine Bar
神戸市中央区中山手通1−6−10ビューラー三宮1F
078−333−0054

丸 萬

神戸にある主人の実家に里帰りするとき、ときどき立ち寄るお店です。
地下鉄の湊川公園駅、神戸電鉄の湊川駅から南に歩いて2分くらい。
すぐ近くは福原のソープランド街で、決して周りの雰囲気はいいとは申せませんが、主人は、ここで物思いに耽りながら、古き良き神戸の下町を懐かしんでいます。
「丸萬」は、1階がカウンターとテーブルがふたつあり、2階では宴会もできるようですが、とても庶民的なお店です。
生け簀には、おこぜや皮剥、車海老などが泳いでいますが、生ずし(関西ではしめさばのことをこう呼ぶそうです。)、牛すじの土手焼き、小蛸の煮付けなど、300円から400円くらいの肴のメニューが豊富です。
箱寿司など関西風のお鮨もあります。
東京の居酒屋とはまた一風変わった熱気が渦巻いています。

丸 萬
神戸市兵庫区湊川公園東坂下
078−575−4184 

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